創造力で使う頭脳
強烈な流れに身を任せてみると、胡散臭いと思ってた葬儀業界は予想以上に胡散臭い業界で素人の家族相手に遣りたい放題の鴨葱状態でした。
プランの入り口は低価格を装って引き込み、依頼確定すると数万円の追加と変更を重ねさせつつ「供養ですから」「普通は~」「皆さん同様」「後悔しますよ」など霊感商法・誘導商法・脅しで自分の歩合給を増やす目的で加算させる営業が当たり前でした。
葬式経験者なら当初見積りより数十万円~百万円以上も高くなるのが当然のような経験をした人も多いはず、この商法を世間では詐欺と呼びますが「死」に関わるからか堂々と行われてる現状を知り、違和感より怒りが湧き対応策の検討に入ました。
『残る家族の生活が守れる葬式の企画・施行』の実現を柱にしたものの、葬式の実態すら知りませんから実態調査をしなければ、何をすれば葬儀支援と呼べるのかさえ分かりません。
そこで県内各所に施行業務を委託できる葬儀屋を探し1年間は実態調査、2~3年で創造した企画の施行をしながら誰もが葬儀屋でなく「葬儀支援センター」であると認識して貰える組織を創ろうと活動開始、その第一弾が『葬祭費5万円で骨壺の収まれるプラン』です。
家族も同じ目線で話す我々は受け入れ易かったのか「菩提寺」「葬儀屋」への本音や思いを語ってくれましたので、何を学び、何を考えるべきか知るのは容易でした。
『死体の知識』『死に纏わる法律』『各宗教知識』を独学で学び、無信仰者の自分ならどうしたいか? どうして欲しいか? が全ての基準ですから目指す目標は簡単でした。
無信仰者の葬式は「火葬だけ」
無信仰者の僕に読経・戒名は無用、勿論他の信仰儀式も要らず、将来を想定すると「何も残さない」が最善だから「直葬」+「散骨(法律に縛られない)」以外の選択肢はありませんけど、所有者のいる山林散骨より海洋散骨のほうが簡単です。
ただ海で生活する人達にとって「人骨を食べて育った魚でじゃないの?」的な風評が懸念されます。自分の生活や利益の為に他人の生活を脅かすのは根本的に間違ってますので、山林を所有する事で可能になる山林自然散骨がベストと考えました。
また日本で一番多い仏教では『土に還す』と言いますが、残念ながら現状の寺、墓地の遺骨は最終的な処分はできませんから、法律の縛りが少ない山林自然散骨は仏教と思想にも適してます。
ひと通りの知識は学び後は実践の中で活かしながら施行数を増やせば、より的確なアドバイスができるようになるはず、まずは500施行を目指すと500施行の達成には7年半掛かりましたが、5年目のNHK動画の全国放送は自身への箍にもなりました。
誰にでも分かる葬儀屋との違い
前橋市内でチマチマ活動してるだけなら適当に誤魔化せますが、全国放送とは自分の一言一句を全国民に公言した訳で「できません」とか「戯言」では済まされませんし放送までに付き合ってくれた記者さん、カメラマンさん、音声さんも裏切れません。
全国放送は有難い反面、自分への箍となりプレッシャーにもなりましたけど、だから一度も迷う事なく17年間走り続けて来られたとも言えるので感謝です。
僕らの走ってきた葬儀支援の道は全て葬儀屋が反面教師『とにかく葬儀支援センターは葬儀屋では無い!』と思われる事だけを考えてきた17年なんです。
葬儀屋では絶対にできない事をする
5万円火葬プランは設立前からの第一目標、続いて「散骨場」の取得と「直葬+散骨プラン」更に増え続ける「おひとり様用プラン」それと「低価格の安置施設」そして「宗教者謝礼も含め39万円の家族葬プラン」までは設立した年に目標設定してました。
最終目標は設立3年後、当時直葬料金の全国平均と言われた17万円で宗教者付の家族葬プランまで構想してましたが、布施だけで50~60万円の現実からは余りに馬鹿げた料金設定でしたから、隣にいる千明にさえ設立9年目まで言えませんでした。
安かろう悪かろうは駄目
5万円火葬プランも含め『誰もが違和感の無い葬具のみ使用』が絶対条件、この信条をしておかないと原価問題に直面すれば品質を下げる検討をし兼ねない事、最大理由は葬儀屋が当然の如く行う使用品のアップグレードによる加算の無いプランにする為です。
実践経験と修正すべき点、家族に自信を持ってアドバイスできる程度のレベルまでに3年間を要し、更に全国放送や新聞記事で自分に箍が掛かり、逃げられない、誤魔化せない状況になった事で苦痛もありましけど良い指標となってもくれましてた。
棚から牡丹餅
前例の無い新たなオリジナルプランを考え出すには、利用者となる人達と腹を割った会話と分析は必須、それも超低料金だから至難の業でしたから凡人の頭脳を目一杯回転させ続けるしかなく、当時を振り返ると毎日午前2時、3時まで事務所にいました。
また実態の無い事を他人に伝えるのも簡単でなく、若い人から老人まで理解して貰える話し方や例え話や話す速度と、飽きさせない話術も必要でしたが、幸いにも経営指導してた経験が活かせた事はラッキーで「頭を使う習慣」と「他人に伝える話術」を使う日々でした。
70才を迎えた今、同年代でも個体差は大きく身体的な各部位の故障だけでなく、明確な原因究明がなされてない『認知症』、事前相談に来られた数年前と普通だった人が配偶者の死さちえ受け入れられない認知症になってる現実に何度も遭遇してます。
認知症に成り難いのは弁護士、教師、ソーシャルワーカー、エンジニア、医者など脳を刺激する職業、認知症に成り易いのは肉体労働者、機械のオペレーター、レジ打ちなど単純作業の人達と言われてますから、頭脳を使い人と話す機会を増やす事は認知症予防になるようです。
葬式の打ち合わせは5分もあれば完了しますが、大半の家族は詳細を知らない死後手続きを始めとしたアドバイスを理解するまでに約2時間を要す現実で話術が上がり続けたようです。
個々の家族に最適と思われるアドバイスにマニュアルは通用せず「費用を抑える為の対応」「温かく送る為の寄り添い」そして葬儀屋では出来ない「死後手続きのアドバイス」まで無料で行うのが、あんしんサポート葬儀支援センターの使命です。
一連の流れは『認知症対策』を自然にしてきたのか、2025/03現在、固有名詞が浮かばない老化は痛感してますが認知症の症状は出ておらず、爺さんでありながら小母さんのように軽快に話せたり、法律も含め家族の相談に乗る日々を過ごせるのは『おまけ』のメリットです。
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