マニュアルとは
ビジネスマニュアルとは業務手順やルールの手引書、その業務に携わる全スタッフで統一された言動の指針として用いられ、各事業所毎に異なるので正確には言えませんが客の立場から見て、70点/100点くらいを目指す作業手引書だと思います。
社内で使用する接客マニュアルを完全に実施すれば70点なら、顧客から称賛はされずともクレームの出ないスタッフと成れ全社員が統一できるレベル「接客」「作業」「就業」など様々なマニュアルが存在しているでしょうが個人的には苦手です。
大手企業なら電話応対、受付、話し方など全ての言動をマニュアル化することで嫌な印象を与えない事を最優先している訳ですが、ロボット化させるとは個性を殺す事だからです。受付や電話応対などは一定のマニュアルも必要だとは思うけど機転の効く人間は育たない。
お辞儀の角度を教えるより、小学生で教えるような道徳や倫理を社内全体で学びつつ、個性を活かせる職場を目指すほうが良いと思ってます。
マニュアルの欠点
マニュアルの良い点は一定レベル(最高70点)の言動を統一出来る事ですが欠点もあります。
・気持ちの入らない言動になる
・あくまで上辺の対応しかできない
・突発的な事案は迅速な対応ができない
・マニュアルを強調すると各自の成長が阻害される
葬儀支援はマニュアル化できない
あんしんサポートで行う葬儀支援は葬儀屋の行っている代行業ではありません。
まずは事前相談時点での思い、故人との関係、財布事情などの諸事情を確認させて貰った上で、最善と思えるプランや大枠の内容と流れを決めておきますが、実際が思った通りに進む訳ではありませんのでもその場、その場で臨機応変な対応が即時取れないと順調に流れません。
この辺りをマニュアル化するのは不可能であると同時に個々の才能や実力や経験が活かされる場面でもあり、葬儀支援に限らず支援活動をする人間が持つべきは判断力と行動力です。
しかし行動力を鈍らせるのがマニュアル、その最たる場面が手術や救急医療かもしれません。1分1秒を争う場面で上司の許可が必要とするマニュアルでは、上司が現場にいない限りは助けられる命すら救えない現実が起こるはずです。
その判断を委ねられる人物を育てるべきでありマニュアルでは人は育ちません。任せた人間の判断が間違っていたら、その責任を取るのが上司であり経営者ですから、最優先すべきがマニュアルや、お伺いをたてるような決まりでは意味がありません。
現場対応を見せて、経験させて、自己評価をさせ、アドバイスを繰り返す以外の教育はありません。書物の中に答えはありませんし、それ以上は個々の才能や資質次第です。
仏式家族葬は戒名も
当支援センター家族葬プラン17万円(税・読経戒名付)は設定目標が直葬全国平均料金だった事から、葬儀屋の1割価格と一桁違うほど超激安、17万円の中に読経・戒名が含まれ戒名に至っては男性が居士、女性は大姉(相場50万円)戒名も含まれます。
通常は故人の氏名・生年月日を寺に持参して住職が授けるものですが、決して故人の人となりが分かる戒名ではありませんので、当支援センターでは故人の「性格」「仕事」「趣味」「人物像」など配偶者の立場、子供の立場から直接聞いた内容を寺にFAXします。
また特に使用して欲しい漢字があれば希望も伝えますが、直接聞いた我々のほうが詳しいですから、暫定的に使用する文字や時には戒名を書いて送信する事もあり、依頼した住職が見て問題あれば変更して貰い使用した文字の意味も書いて返信して貰います。
白木位牌の文字は当方で書き、使用した文字の意味等は全て書き直し、読経のあとでの戒名説明は当方で行い、必要な事があれば同時に伝えますが、故人の戒名説明を聞き涙する人も多く、戒名通りの人でしたと言われる家族が大半です。
戒名を我々が伺うとか、費用を抑えて頂く代わりに出来る事を代行したり、移動用の袈裟を着替えたりさせず手を掛けさせない事はマニュアルではありません。
花入れ・写真
葬式の後は生花、服、酒、手紙など入れますが、生前の様子や故人の話題を振りつつ和やかな時間になるよう先導、時間の余裕があれば故人の写真を撮ったり、棺と家族や親族の写真、祭壇や戒名も撮っておくよう伝えたりシャターを切ったりします。
今も病院や施設でコロナ感染が蔓延してる事も少なくありませんので、病院施設でゆっくりお別れが出来なかった家族と近所や友人等で弔問したい方がおられる時は、火葬前日の午後3時から葬式した後、最長午後7時まで式場を開放して対応します。
翌朝一番の火葬なら午前11時には斎場を出られ、前日は午後3時~7時、火葬は午前9時20分~11時といずれも食事をする時間ではありませんので食事費用は掛かりません。
これらは全て『温かく送れる葬式』を実現させる裏方仕事、家族次第ですからマニュアル化はできませんし、しても思ったようにいかないはずです。
死後手続き
詳しい内容は別途書くつもりですが、死後手続きで代表的なものは下記の通りです。
① 故人所有の不動産名義変更
② 国民健康保険からの葬祭費5万円支給申請
③ 逝去月まで支給される年金の手続きなど
④ 故人名義の貯金通帳の各銀行毎の対処方法
⑤ 生命保険の対処と条件毎の保険金と相続財産
⑥ 故人名義の変更(公共料金・車・電話など)
※ 故人に負債がある場合の対処法
※ 相続に関する法律
マニュアルを覚える程度ではどうにもなりません
簡単に書きましたが、その場の空気で対応するマニュアルは作れませんし、家族毎に条件は全て違いますのでマニュアルではどうにもなりません。
これらが葬儀屋とは一線を隔す、葬儀支援センターの使命と業務、アドバイスの多くは単純に法律を伝えれば済むことではありません。家族毎に臨機応変な対応方法を考えて伝えられ、質問があれば答えられるくらいの知識と経験がなければ無理です。
また出来るだけ費用が掛からない方法を伝えようとすれば、法律違反はしませんがギリギリの方法を伝えるのが現実、葬式の内容と費用は勿論、死後手続きに於いても当方があるから安心していられる存在と思われるならマニュアル対応では到底無理な話です。
温かく送るなら「ノン・マニュアル」
温かく送るとは故人の事だけでは成しえません。だって送るのは残る家族だからです。例え丁寧に送れるよう代行してくれても、心が冷めるような高額請求では葬儀支援とは言えず意味が無いどころか、葬儀支援なる言葉に不信感を抱かせるに過ぎません。
搬送後の打ち合わせで提示した見積り額と請求額は同じで当たり前、当支援センターは火葬時間に集金するから、その葬式では拾骨が最後の時間、温かく送りたいと思っての数日間ですから、最後まで温かく送りたい思いで拾骨にも立ち会ったのです。
前橋斎場は焼骨の部位説明をする慣習から大きく残すので、男性なら100%の確立で焼骨を潰さないと7寸骨壺に収まりませんが、潰すのは初めて逢った斎場職員――、普通に考えて家族からしたら気分の良いものでなく、家族の中には嫌な顔をする人も珍しくありませんでした。
そこで家族自身の手で焼骨を潰すよう専用棒を家族に手渡したのが最初のきっかけ、できるだけ家族が参加する拾骨にしたい、場の空気を和ませたいとの思いでしたが、気づけば自分で拾骨するようになってたのが現実ですが、斎場職員以外で拾骨するのは日本で僕1人でしょう。
どんなに温かく送れる葬式をしても最後の拾骨で家族に不満が残ったり、心が冷めては意味がありませんし全ての努力が無駄になるのは寂しいですからね。
事前相談で2時間から話して打ち解けた人間が逝去時の搬送に現れるだけで家族は「ホッ」とできるもの、安置後の打ち合わせでも諸事情があれば気軽に相談できて、事前相談の時と同じ姿勢を貫き、葬式期間の随所で『温かく送る』を積み重ねて初めて出来る拾骨です。
「搬送」「打合せ」「施行」「集金」が全て違う人間では到底無理だし、同じ人だとしても家族が心を開ける担当者でなければクレームにすら成り兼ねません。
「あんしんさんの葬儀は明るいですよね」と斎場担当者にも言われますが、我々なりの心遣いをしてきた結果なんです。老人世帯なら火葬した夜は独りになった実感を否応なく感じるはずですから出来れば今夜は誰か一緒に過ごして欲しいと伝える事も多いです。
個人的な意見だけど、、、
「いらっしゃいませ」の言い方、お辞儀の角度、笑顔の作り方、電話の応対、様々なマニュアルがあります、買い物に行ってもマニュアルの接客は分かりますけど、マニュアルで感動した事は一度もなくしいて言うなら嫌な心象を持たずに済んだだけ――、
個人的にはマニュアルより『相手の目線で考える習慣』を教えたい、当支援センターの葬式で家族の笑い声さえあるのは、その場を過ごす家族が素の自分達でいられるからです。
誰にでも出来る事じゃないかもしれないけど、家族が自分達の事を思ってしてくれてると思えば、馴れ馴れしい話し方でも嫌な気分に成らない、但し持ち上げて貰わないと気分を害す人もおられますから、そんな家族は当支援センターでは対応できない人なので入会を受けてません。
マニュアルとは全ての対象者に嫌な思いをさせない事が主目的だと思うけど、全ての人達を対象としても無理ですから、当支援センターが目指す葬式施行を「良し」とする家族だけを対象とする事が、より長く続けられる事にも繋がると思ってます。
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