ドライアイスを外すタイミング

葬儀実践

納棺安置なら1回で60時間

保冷剤の代表格ドライアイスは-80℃、当てた部位を凍結させる事で保全するものですが、布団安置は当てた部位のみ冷却しますが、本来暖をとる布団は昇華しょうかも速く使用量が増えるのに対し、納棺安置なら棺内温度も下げる効果が得られます。

布団で使用する場合、身体の各部位に当てる為10㎏~15㎏を使用する事が多いはず、凍結は2kgで8時間がせいぜい、温かい死体に2㎏のドライアイスでは半日ほどで無くなりますが、次回は凍結状態からなので解凍まで2回分で36時間保全なら、60時間の保全には2回当てる事になる。

10㎏(2㎏×5本)なら「腹部1本・下腹部1本」「後頭部半分を2本」「胸部1本」かな
15㎏(2.5㎏×6本)だったら「腹部・下腹部で3本」「後頭部2本」「胸部1本」って感じでしょうか

胸部のドライは状況により腹部に移動する多い

しかし納棺安置なら60時間まで保全可、布団安置の半分量で済めば費用も半額、さらに布団安置は室温が高ければ昇華とけるも速く保冷効果は薄れるが、納棺安置はフタを開けなければ室温が高くても棺内は冷やせるので保全面も安心できます。

布団安置は死体保全から室温は限界まで下げる。すると家族や弔問者は長くいられないほど寒くなり、襖や障子は結露で開閉出来なくなるが、納棺安置なら故人と一緒に暖かい部屋で過ごせるし、保全にも費用面でも布団安置よりベターです。

更に費用面でも5日間(120時間)安置が必用な状況なら、葬儀屋は初日、2日目、3日目、4日目と入れ替えるだろうから1回1万円だとして4回で4万円、僕は60時間に1回だから2回2万円、半額になるメリットもあります。

ついでに言うと最初のドライアイスは体温が高いので昇華も速い、それでも2.5㎏の塊なら翌日でも半分残ってるにも関わらず、取り替える葬儀屋は理解も納得もできません。

ドライアイスはどんなに小さくなっても「氷」になる訳でなくドライアイス、追加するのは理解できても交換する必要はない、毎日交換するのは家族の無知を利用する邪道商法です。

ドライアイスはいつ外す

皆さんはドライアイスは何時いつ外すのがベストだと思いますか?

正解の前に葬儀屋が火葬前日まではしっかりドライアイスを当てるでしょ!?
なぜでしょう? 理由は2つしかなく、それ以外なら無知しかない。
「1」翌日の火葬までは湯かん、葬式などあるから保全面で安心するため
「2」ドライアイス1回分の売上(利益)を増やしたいから

『正解』は火葬時の故人が解凍されて腐敗する前がベスト、死臭発生までの時間は色々言われてますけど経験則を言わせて貰うと、腕が硬直する5~6時間くらいでも時々死臭を感じることがありますから「解凍時間」+「5時間」前がドライアイスを外すジャストタイムです。

外すのが早過ぎれば腐敗臭の不安、外さなければ内臓まで完全凍結した状態での火葬、解凍後より火葬時間が余分に掛かるのは必然、時間も掛かり余分な費用も掛かり家族に良い事は何もありません。まぁ葬儀屋には利益加算メリットがありますけど、、

ドライアイスの本質を知る

業界人が書いた記事でも「ん!?」と思わざるを得ない記事も多い、その代表的な記事がドライアイスに関するもの『ご遺体が凍結しないよう綿花に包んで当てます』といった内容の記事を何度も見ましたが、よく考えれば戯言であると分るはずです。

凍結は0℃ですが身体には脂質、蛋白質があるので凍結は-4℃くらいでしょう。一方でドライアイスは-80℃、凍結させない為って事は80℃温度をあげるって事?

だとしたらドライアイスを当てる意味はなく、ドライアイスで0℃なら完全昇華(気体になる事)して固形物は残りません。というか冷やす事すらできません。

死体保全には直接当て凍結させて腐敗を防ぐ、更に密閉された狭い棺内の空間なら全身を冷やせます。しかしドライアイスを置いた上か横1cm離れた場所に指を置いても指が冷たくなったり、痛くなることはありませんから大量使用でなければ直接当てて冷やすものです。

ドライアイスが当たった部位の肌は薄茶色に変色するので初めて見ると少し驚くかもしれませんけど、解凍すると元の肌色に戻るので心配要りません。凍結させない為に綿花で包む、、これってきっと先輩からの受け売り言葉なのだろうけど嘘をつく必要はないと思う。

それより例え先輩の言葉でも真相を確認しておけば自信を持って発言できるし、もし間違いなら訂正したり修正すれば、その後は安心して使える言葉になります。業界内で常識のように言われたり、行われてる事が全て正しい訳ではありません。

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