拾骨について

葬儀実践

箸渡しは仏教作法

「ひとつの骨を二人で挟んで骨壺に納めてください」が関東の斎場で行われてる拾骨ですが、前橋斎場で僕自身が入れる時は、斎場担当者でなく僕自身が拾骨先導、箸は使わず各自「素手」での拾骨、僕自身も手袋はせず素手で対応します。

箸を使わない理由は全国民が仏教徒ではないから、日本は7割無信仰者と言われてますけど、当支援センター会員は9割が無信仰者、残り1割で一番多いのは仏教でなくクリスチャン、拾骨習慣は日本だけなので箸の拾骨が仏教作法と知ってるクリスチャンは箸の拾骨はしません。

もっと言えば『橋渡し』は有っても『箸渡し』なる言葉は仏教以外ありません。この世からあの世への橋渡しは三途の川を指した言葉であり、更に言えば『喉仏のどぼとけ』の「仏」は仏教限定の文字、正式名称は『第二頸椎だいにけいつい』か『喉頭隆起こうとうりゅうき』です。

僕自身も無信仰者ですから、宗教作法を強要されたくありませんので、信仰の有無に関係なく大切な家族を自分の手で拾える対応をしてるに過ぎません。ただ焼骨が生理的に駄目な人もいますから、その人達は遠慮なく箸でしてくださいと伝えます。

火葬炉によっては熱いまま拾骨するシステムもありますので、その場合は箸で無ければ火傷するので当然「箸での拾骨」となります。

公営斎場は仏教徒以外の人達も利用するし、これから外人さん達も増えるのですから、仏教作法が当然のような対応をすべきではありません。斎場を管理する市区町村民課は早い段階で検討し、市区町村議会に提案して変更すべき点のひとつです。

焼骨ではもうひとつ、焼骨は全て拾骨してる訳ではありません。7寸骨壺使用の東日本で7~8割くらいでしょうか、西日本の骨壺は2寸~4寸なので、半分以上は遺灰置き場に入れ専門業者が持って行くはずですが、遺灰置き場は地蔵や仏像が立ってます。

大多数の人達は知らないから黙ってますけど、その事実を知ったら仏教以外の信仰心の厚い人達は、その遺灰置き場に入れて欲しくないと言うでしょう。行政に悪気が無いのは重々承知してはいますが、宗教色のある物は早い段階で撤去しておくべきです。

焼骨の色と嘘

火葬炉の温度は900℃~1100℃、火葬時間60分なら1000℃ほど、90分の火葬炉なら900℃くらい、都内23区は2斎場を除き民間施設ですから火葬時間短縮目的で1100℃で火葬してると思われ、高温なので炭状になる部位があっても不思議ではありません。

良く聞かれるのが焼骨に付着した「色」必ず付着するのが『薄緑色』で僕は火の色と説明してます。棺を入れる際、下から火をまわせるよう五徳ごとくと呼ばれる金属製枠の上に乗せますが、棺が燃えると身体は下に落ち、真赤になった金属と触れた骨の部位が薄緑色になります。

良く見ると薄緑色の真ん中は黒く焦げた線状があり五徳の痕です。五徳は鉄製でも融解温度1500℃強ですから900℃は勿論、1100℃でも熔けはしませんが真赤になります。上下のあご付近に赤褐色があれば歯医者の治療痕の可能性が高いです。

付着する色について棺に入れた生花と言う斎場が多いけど、植物の色は薄いので考え難いけど、洗濯してない衣類の色落ちは充分考えられます。過去に3回ほど真新しい真赤なトランクを履かせた故人の焼骨全体がピンク色になりましたので間違いないでしょう。

焼骨を見て「薬飲んでたからねぇ」と言う人もいれば「そうなんだぁ」と納得してる人もいますが、骨の病気でも無い限り、投薬で骨の色が変わるとは考え難い、確かに毒だから薬になり、患部だけでなく周囲に副作用として影響が出るのも事実だけど骨まではね、、

部位説明

僕が説明する事の多い部位は「かかと」「足の骨」「大腿骨」「骨盤」「仙骨(尾骶骨)」「膝の皿」「肋骨」「肩甲骨」「背骨」「指の骨」とスポンジのような空間の出来た「骨粗しょう症」を説明しながら首下の骨は全て家族で拾骨します。

第二頸椎けいついと頭部は担当者に説明して貰いますが、担当者が粉上になった焼骨などの準備してる間に火葬許可証と「死亡届出できる役所」の説明をしてる事が多いです。

担当者が説明しながら頭部を納めますが、前頭部より後頭部は数倍厚いのを見せながら「倒れるなら絶対後」と説明したり、頭蓋骨の内側のオレンジ色が血液の色と見せながら説明する事もあり、最後は担当者の方にしめて頂きます。

若い故人の場合は難しいですが、ワァワァ言いながら最後まで温かく送れたら最高の葬式だと思って対応しており、斎場を出る時は設置してあるアルコールポンプで「手を洗いましょう」と僕自身で押しながら拾骨を完了してます。

初めて触る焼骨

当支援センターを初めて利用した人は100%の確立で「初めて触りました」と言われますが、大半の家族は箸より温もりがあって良かったと言われます。僕だけ手袋をしてたのでは温もり半減、だから家族が違和感を覚えないよう素手で触るから家族の抵抗も軽減するのでしょう。

皆さんも大切な家族の拾骨で一旦ステンレスに取って出てくる火葬炉なら、手で触れますから「自分は手で入れます」と担当者にの伝えれば出来るはずです。

手で触ると言うと「六価クロムが危険」と言われるかもしれませんが、僕自身も素手で触るので何度も検査キッドで調べましたが、身体に影響が出るような濃度ではありません。そもそも身体から出るものでなくステンレス台等からのものです。

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